台所は理科教室じゃん!

私は好きが昂じて料理研究家になった人間ですが、子どものころから実験大好き、好奇心この上なく旺盛でもありまして、専業主婦時代も、仕事をするようになってからも、暇さえあればいつもいるのは台所でした。
台所で料理をしながらながめていると、「ただいまぁ」と玄関のドアを開けた子どもたちを引き寄せるのはまずニオイ。いいニオイさえしていれば、何、作ってんの?ぼくもやってあげようか、と。
彼らは宿題をするのも調理台のところで。


自分の部屋でやったら、と言っても、だってお母さん、楽しそうなんだもの。
 ニオイの次に子どもをキャッチするのは音。ふたつき容器に生クリームを入れて、振って振ってホイップクリームと、シェーカーよろしく振り回していると、ポシャポシャの液体のゆれる音に息子の耳はピッ。ぼく、してあげると、漢字の書きとりそっちのけで飛んできます。


さばをおろしている私の手もとをジィ〜と。ぼくのおなかもこんな風?肝臓や白子が新鮮と判断したときは、腹身といっしょに甘辛に煮て、フーフーしてお口にポイッ
親の私は仕事をさせているつもりでも、子どもにとっては遊び。その中でも、子供にとって最高に楽しいことが料理。できたものが食べられますから。牛乳を温めて酢を加えればモロモロに固まってガーゼでこせばカテッジチーズ。そうか、牛乳の中の何かが酢で凝固するらしい。何だろう?と、はてなマークを心に貯めていきます。<いちごミルク>をつぶしながら食べて、同じ現象を発見!「台所は理科室ジャン!」なのです。
「家事は勉強の邪魔」とは、私には思えません。探求心が育ちます。失敗すれば何故だろうと考える力が芽生えます。辛抱強くもなるし、手先が器用にもなります。


包丁使いが無理な年齢なら、トマトをおろし金でおろしてみましょう。押して引くという、2つの動作が連続してできるなんて高等技術そのもの。ボウルにたまったジュースをストローでチュッチューお野菜ぎらいさんがトマトを飲めた!と、なるかもしれません。


4月からスタートする連載<おいしい!おどろき?!>は、我が家の3人の子どもたちが幼かったころ、台所で一緒に楽しんだ実験を書いたものです。おとな向けの科学的な解説をつけましたが、これをヒントにあらゆる面から子どもたちの意欲をかき立ててください。きっとおもしろい成果がみられると思います。また、体験談もお聞かせくだされば、うれしく思います。
村上祥子著
全国学校給食協会 「食の学舎」4月号掲載

   
 
 

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